コニー・ボスウェル(CONNEE BOSWELL)

connee_boswellコニー・ボスウェル・アンド・ザ・オリジナル・メンフィス・ファイブ・イン・ハイファイ
(CONNEE BOSWELL AND THE ORIGINAL MEMPHIS FIVE IN HI-FI)

コニー・ボスウェル(CONNEE BOSWELL)の「コニー・ボスウェル・アンド・ザ・オリジナル・メンフィス・ファイブ・イン・ハイファイ」(CONNEE BOSWELL AND THE ORIGINAL MEMPHIS FIVE IN HI-FI)です。
●RCA VICTORのオリジナル盤になります。レコード番号はLPM-1426。

このレコードは1956年に録音され、1957年にリリースされたもので、コニー・ボスウェルがオリジナル・メンフィス・ファイブと共演しています。曲によってはボーカルの入らない演奏もありますが、ほぼ6割方は彼女のボーカルが入っています。

パーソネルは、ボーカルにコニー・ボスウェル、クラリネットにジェームズ(ジミー)・ライテル、トランペットにビリー・バターフィールド、トロンボーンにミルフォード(ミフ)・モール、ピアノにフランク・シニョレリ、ベースにユージン・トラックスラー、ドラムスにアンソニー・スバーバロとなっています。タイトルからはオリジナル・メンフィス・ファイブなんですが、コニー以外に6人いるのは、これ如何に? 答は後ほど。

収録曲は、A面に「When My Sugar Walks Down The Street」、「Say It Isn’t So」、「At The Jazz Band Ball」、「Japanese Sandman」、「Make Love To Me」、「My Honey’s Loving Arms」の6曲、B面に「Pagan Love Song」、「Giannina Mia」、「Singin’ The Blues」、「All Of Me」、「I Wish I Could Shimmy Like My Sister Kate」、「When The Saints Go Marching In」の6曲、計12曲です。

コニー・ボスウェルは、ご存知のようにボスウェル・シスターズで一世を風靡した姉妹ボーカル・グループの一員で、最も歌唱に優れていたためシスターズ解散後もソロで歌い続けていました。この録音当時は50歳直前なのですが、そういった年齢はあまり感じさせない歌声です。エラ・フィッツジェラルドにも多大の影響を与えたとされていますが、中々に歯切れのよい歌唱法をして斯く言わしめるのでしょうか…。

彼女は生まれつき小児麻痺(ポリオ)だったそうで、生涯車椅子もしくは座って歌っていたそうな。同時代にかのF.ルーズベルトもいましたが、彼女がそうだったことを知っている人は案外に少ないそうです。彼女自身がその障害を隠していたわけではないそうですが、テレビが世の中に普及する前ならば知らずにいた人も多かったのでしょう。

いずれにせよ、1930年代に名を成した歌手の中で抜群の存在であることに間違いはなく、40年代までビング・クロスビーとデュエットした歌唱は今もって色褪せるものではありません。そんな彼女が50年代半ばになってから吹き込んだのがこのレコードで、優秀な音質で楽しめるのが、まずお薦めする理由の一つです。

ところで、本名の「Constance Boswell」からすれば、「コニー」は「Connie」じゃないかと思うのですが、何故に「Connee」なのかと言えば、どうも「Connee」の方がサインし易いというアホみたいな理由だそうです。古きアルバムでの表記は「Connie」ですから、途中で勝手に「Connee」に変えたんですね、これが。なんとも安易かつケーハクっぽくてウレシイ限りです。

さて、共演しているオリジナル・メンフィス・ファイブ(OMF)ですが、これがどうにも胡散臭いグループのようで、名称とそぐわない活動を行っていたようにも記録されています。

とは言うものの、それぞれのメンバーは中々の人材が揃っています。ジミー・ライテルやフランク・シニョレリやアンソニー・スバーバロなどはODJB(オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド)のメンバーですし、アンソニー・スバーバロこそが記念すべき「初めてジャズ録音を行ったドラマー」だそうです。JASS(JAZZではない)に影響を及ぼしたことは確実のようで、サッチモやビックス・バイダーベックなんかもODJBのレコードを愛聴していたそうですから、この辺から影響を受けたことには間違いありません。ということは、凄い人たちじゃあーりませんか?

アンソニー・スバーバロは、その名前の表記がいろいろありまして、アンソニー・スバーバロのほかに、トニー・スバーバロ、トニー・スパーゴ、アンソニー・スパーゴ、アントニオ・スパーゴなどがあります。別人かと思わずにいられない表記で、随分混乱させますな。何か一つに統合できないのかね、全く。

閑話休題。で、OMFに戻りますが、本来の基本メンバーはフィル・ナポレオン(トランペット)、フランク・シニョレリ(ピアノ)、ミフ・モール(トロンボーン)、ジミー・ライテル(クラリネット)、ジャック・ロス(ドラム)だとされています。このアルバムは50年代の録音ですからそれらとは異なったメンバーになっていますが、大体元々もメンバーにはメンフィスどころか南部出身者さえ居なかったそうで、5人だったわけでもなく、オマケに全て白人です。「おーい、何とかしろ」と言いたくもなるような存在なんですが、実際には同じメンバーで他のグループ名でも演奏していたようでアメリカ人ならではのいい加減さが現れていてムカツキますね。

収録曲の内、7曲がコニーのボーカル入り、後の5曲がOMFのインストゥルメンタルになるんですが、聴いてて非常に快適です。OMFの演奏自体も楽しいもので、さらにコニーのボーカルが加わるんですから、一粒で二度美味しいを地でいったような演奏です。こういうのを50年代に録音しておいたRCAも中々のものかなと思わせないではありません。

CDでも復刻されているようですが、ここはやっぱりLPでしょう、ということで出品いたしました。万人にお薦めできる好盤ですよ。


※このレコード評は、旧き佳き時代とジャズへの想いを込めた音化店主:能登一夫の評文です。







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