eric_dolphyアイアン・マン
(IRON MAN)

エリック・ドルフィー(ERIC DOLPHY)の「アイアン・マン」(IRON MAN)です。
●DOUGLAS原盤のCELLULOIDによる1986年のリイシュー盤になります

パーソネルは、アルトサックス、バスクラにエリック・ドルフィー、トランペットにウディー・ショウ、ソプラノサックスにクリフォード・ジョーダン、ベースにリチャード・デイビス、ヴァイブにボビー・ハッチャーソン、ドラムスにJ.C.モーゼスなどとなっています。

このレコードは1963年にニューヨークで録音されたもので、名作の誉れ高い「アウト・トゥ・ランチ」に向かうドルフィーの充実した演奏が収録されています。

冒頭の「IRON MAN」は、そのタイトルからして期待を持たせるもので、事実この演奏も一度聴いたら忘れられるものではありません。私が初めて聴いたときは高校生でしたが、アヴァンギャルドを善がる小僧の脳裏にしっかり刻み込まれる音楽でした。

その後、何としてもこのレコードを入手しようと探しましたが、殆ど見つけることができず、正にドルフィーの「幻の名盤」化していったレコードではなかったかと思います。1986年にアメリカ、CELLULOIDから復刻されるという話しを聞いて、中古盤屋を通じて予約までして入手しました。

出品いたしましたのは、デッドストックになっていた1枚で、今ではかなりレアではないでしょうか。

CDでは何回か復刻されましたが、復刻される度にジャケットデザインが変化していました。私はこのジャケットデザインが最もお気に入りで、極彩色に近い色合いが演奏をも表しているように感じます。

アルバム・タイトル曲の「IRON MAN」は勿論のこと、リチャード・デイビスとのデュエットになる「COME SUNDAY」や「ODE TO C.P.」も聴きものです。ドルフィーの楽器による表情の違い(アルトサックス、バスクラリネット、フルート)を楽しむにも最適でしょう。


※このレコード評は、旧き佳き時代とジャズへの想いを込めた音化店主:能登一夫の評文です。