キャブ・キャロウェイ(CAB CALLOWAY)

cab_calloway01ハイ・デ・ハイ・デ・ホー
(HI DE HI DE HO)

キャブ・キャロウェイ(CAB CALLOWAY)の「ハイ・デ・ハイ・デ・ホー」(HI DE HI DE HO)です。
●RCA VICTORでのオリジナル盤になります。レコード番号は、LPM-2021。

パーソネルは、よく分かりません。「キャブ・キャロウェイ・アンド・ヒズ・オーケストラ」でおしまいです。とりあえず、毎度の調子で歌っているのがキャブ・キャロウェイで、後はその他大勢といったところです。

収録曲は、A面に「The Hi De Ho Man That’s Me」、「I’ll Be Around」、「Summertime」、「It Ain’t Necessarily So」、「Kickin’ The Gong Around」、「You Rascal You」の6曲、B面に「Minnie The Moocher」、「I See A Million People」、「St.James Infirmary」、「Stormy Weather」、「The Jumpin’ Jive」の5曲、計11曲です。

このレコードは1958年にリリースされたもので、ニューヨークのRCAヴィクター・スタジオで録音されています。スタジオ録音であっても、キャブはいつものキャブで、聴衆など居なくても全開バリバリです。

ア○の一つ覚えなどと言ってはいけません。キャブ・キャロウェイこそ黒人エンタの最高峰、神様的存在で、ファッションからスタイルから、当時の黒人文化を率いた正に「ジ・エンターテインメント」そのものであります。

のっけから「The Hi De Ho Man That’s Me」でやっつけてくれます。「ハリハリ、ヒリヒリ、ホレホレ」とキャロウェイ節全開で、何なんでしょうね、このノリは。常人の及ぶところではありません。

2曲目の「I’ll Be Around」は、一転してムーディーなバラードです。「俺っちは、こんなのもできるんだもんね」とでも言いたげな情感たっぷりな歌唱です。一流スイングバンドだった片鱗が垣間見れます。

3曲目は、また有名な「Summertime」で、ここでも2曲目と似たような解釈で迫ります。さあ、これからという辺りで終わってしまいました。テーマだけかいな。

4曲目が「It Ain’t Necessarily So」。大人しめに始まったかと思いきや「ヒリヒリ・ビリリリー」とお馴染みのキャロウェイ節が展開されます。正に「必ずしもそうじゃない」を地でいくようなこういうアレンジが受けるんでしょうね。

5曲目は「Kickin’ The Gong Around」です。ヒリヒリ・シャウトとコーラスの掛け合いが時代を感じさせつつ快調です。何を言っているのかはほとんど分かりませんが…。

6曲目が「You Rascal You」で、翻訳ソフトによりますと「あなた・悪党・あなた」だってさ。「ユー・ラスカル・ユー」と掛け合って落ちがあるという構成で、5曲目と同じような解釈ですね。何度聴いても飽きるような飽きないような不思議な印象でスイングです。ラスカルってのはアライグマかと思っていたのですが、どうやらアライグマは悪党だそうで、かのテレビ番組とはちょっとそぐわないかと思いきや「いたずらっ子」という意味もあるそうなので、そんなものなのでした。ところで、「You Lucky Rascal」になると、「この果報者め」とか「この幸せものー」みたいな意味になるそうです。演奏自体は正にそんな感じです。

長くなりますので、B面のご紹介は省略しますが、有名な曲が目白押しですから、全く損はありません。こういう録音を彼が元気なうちに遺そうとしたRCAの慧眼に敬服しておきましょう。

一般的な解釈では、キャブ・キャロウェイは戦前のSP時代には一流のスイング・バンドと見做されて幾つかのレコードがあったのですが、戦後は何だか異端扱いされて入手できるレコードもなく、ほとんど虐待に近い扱いだったそうです。

1980年頃に、何と「おもしろ音楽大集合」とかいうシリーズの一つとして日本盤でリリースされたようですが、結局は映画「ブルース・ブラザーズ」に登場してから再認識されたというのが偽らざるところで、日本でのこのリリースに至ったんでしょうかね。何か本来ではない感じではあります。

ブルース・ブラザーズに出演したのが契機になったのかどうか、確か1980年代のセサミ・ストリートにも登場して、歌って踊っていました。キャブが現われるやいなや、諸手を挙げて「Yeah! Cab Calloway!」と叫んでいたパペットを思い出します。

また「You Tube」 だったかで、彼の若かりし頃の映像を見ることができます。まあ映画になっても全然おかしくない出来の映像で、エンタの神様的存在感をヒリヒリ・ハリハリと発散していましたね。何だかスゴイんです。

キャロウェイといえば、ゴルフクラブしか思い出さないオジサンも多いでしょうが、本家キャロウェイはこれですよ。ゴルフクラブは「Callaway」ですけどね…。


※このレコード評は、旧き佳き時代とジャズへの想いを込めた音化店主:能登一夫の評文です。







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